自家歯牙移植

口腔外科とは

口腔外科とは、口の中に発生するいろいろな疾患(病気)に対応する診療科です。口の中だけに限らず、顎(あご)や顔面ならびにその隣接組織に生じる疾患を扱っています。すでに聞き慣れているインプラント治療も口腔外科領域の治療です。

口の中、顎、顔面に生じる疾患から、全身疾患と関連のある口内の疾患、あるいはすでに何らかの病気を抱えている方の治療も行っています。

口腔外科の主な疾患・治療例

親知らずや難症例の抜歯(埋伏歯など)
親知らずや虫歯が原因で歯茎(はぐき)やあごが腫れる炎症
口の中のできもの(良性腫瘍、がん)
口内炎、粘膜のあれ、舌の痛み
あごの骨折・あごの痛み(顎関節症など)
有病者の歯科治療
妊娠中の歯科治療
歯科恐怖症の方の歯科治療

自家歯牙移植とは

歯を失う、または失った部位に、ご自分のお口の中にある他の利用できる歯を移し変える治療で、失われた奥歯の部位に親知らずを利用する場合がほとんどです。

治療が成功すれば、もともと生えている歯と歯周組織の状態はほとんど同じ状態になりますので、骨と直接結合しているインプラントよりも自然な噛み応えが得られます。

ただし、治療の成功には移植する歯の歯根膜の状態が大きく影響を及ぼしますので、自家歯牙移植の適応症は非常に限られてしまいます。言い換えると、親知らずがあったとしても、必ずしもできる治療ではないということです。さらには、歯根膜の状態は、抜いてみなければ分からないことが多く、術前には不確定な要素が多いことも、デメリットとしてあげられます。しかし、現在ではCT撮影ができることで、かなり高い確率で診断ができるようになりました。

自家歯牙移植は、不要なご自分の器官の再利用という点を考慮すれば、失った歯を回復する手段としてはインプラントの前に検討すべき治療法であると、福西歯科クリニックでは考えております。

福西歯科クリニックの自家歯牙移植へのこだわり

・多くのケースは、抜歯をした直後に移植を同時に行うため、歯を抜く前に来院してもらうことをお願いしております。歯を抜いた後でも3ヶ月を過ぎると移植が難しくなります(骨が吸収します)ので、可能性の有無についてはお気軽に相談下さい。

 

・一昔前は、移植をした歯は、いずれ歯根が吸収してダメになると言われていました。しかし、移植に関する研究が進むにつれて“なぜ歯根吸収が起こるのか”ということが解明され、今では高い確率で成功するようになっています。成人の移植では、移植歯を抜くと神経が断裂するので根管治療が必要になります。

しかし、子供の移植では神経が再生することも多く、非常にメリットの多い治療です。では、子供の移植はどんな場合でしょうか。実は矯正で便宜的に永久歯を抜くことも多く、その歯を他の部位に移植するケースがほとんどを占めます。最近のお子さんは、乳歯の後に永久歯が無いことも多く、その部位に矯正で抜く歯を移植するのです。
矯正をされているお子さんでそのようなケースがあれば、ぜひ当院にご連絡下さい。

自家歯牙移植の症例 

術前 術後
術前 矢印 術中
術前 術中 術後
術前 矢印 術中 矢印 術後

歯に穴があいた状態でしばらく放っておいたところ、虫歯が進み細菌が神経にまで達し、激痛が生じました。虫歯が骨の近くまで進行していたため抜歯になりました。抜いた後はブリッジかインプラントの治療が主な選択になりますが、ブリッジでは 後ろのいい歯を削らなくてはなりません。また、インプラントでは骨が不足しているため、骨の造成が必要になり、比較的大きな手術を伴います。しかし、親知らずがいい状態で残っていましたので、その歯を移植することにしました。

移植後、歯の形をプラスティックで盛り上げることで被せることもなく、より自然な状態で回復することができました。

Case1

術前 かぶせ物が取れたまま放置していたために抜歯せざるを得ない状態となってしまっています。

そこで、その奥にある親知らずを移植することになりました。

矢印

親知らずを移植した直後の状態です。

矢印

歯肉の治りを待ち根管治療を行い、手術から6か月で最終的に銀歯で修復しました。

矢印

手術から10年経過していますが、問題が起こることなく良好な経過をたどっています。

Case2

 
 

術前 歯根が破折し、炎症が骨に拡がり、溶けている像が確認できます。

保存は不可能なため、その奥にある親知らずを移植することになりました。

矢印

親知らずは歯冠をカットしないと抜けない状態でしたが、歯根は傷つけずに抜けました。移植直後の状態です。

矢印
 
 

歯肉の治りを待ち根管治療を行い、最終的にセラミックで修復しました。